サーモスタットの役割、それはズバリ、「温度調節機能」です。
自動車のエンジンは、高温になるとオーバーヒートを起こしますが、逆に温度が低すぎてもだめ。エンジンが動き始めの状態では、金属が温まっていないため、部品が縮み、わずかな隙間ができたり、燃焼状態が悪いなどの不具合が起こってしまうのです。このようなとき、サーモスタットが作動し、冷却液の循環を止めて、エンジンが温まるのを助ける仕組みになっています。一般的に、エンジンの適温は80〜90℃とされているので、それより温度が低くなるとサーモスタットがバルブを閉じ、冷却液をバイパス通路に迂回させるというわけですね。つまりサーモスタットとは、一般的には「暖機を早める」という目的のためにあるということ。エンジンを適温まで温め、燃焼効率を高めるのが暖機であり、エンジンにとってとても重要な働きなのですね。