エンジンのシリンダ内では、混合気の燃焼によって熱エネルギーが生まれるのですが、この熱エネルギーによって往復運動を行い、動力を生み出すのがピストンです。
ピストンには、内壁との摩擦や高温に耐えるだけの強度が求められています。部品を厚くすれば強度は上がりますが、その分重くなり、ピストン自体を動かすためにエネルギーが無駄に消費されてしまい、運動効率が下がってしまいますね。その問題を解消するべく、軽量かつ頑丈なピストンを実現するため、現在ではアルミニウム合金が用いられることが多くなっています。また、軽量化のため、ピストン内部は空洞になっています。
また、ピストンの周りには溝が刻まれていますが、ここにピストンリングという細い輪が挟まれています。ピストンリングとシリンダ内壁との間にはオイルが入り込んでおり、ピストンが滑らかに上下運動できるようにになっています。ピストンはクランクシャフトとつながっていて、ピストンの往復運動が回転運動に変換され、車が前進するというわけですね。