ディファレンシャルギアは、カーブで車輪が横からの力を受けたとき、自動的に左右の車輪に回転差を与えて、旋回をスムーズにしてくれる機構です。日本語では、「差動歯車」とも呼ばれていますね。
自動車がカーブにさしかかると、外側の車輪のほうが内側の車輪より移動距離が大きくなるというのは、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。そのとき、外側と内側の車輪が同じ回転数でカーブに入ると、内側のタイヤが空回りしたり、外側のタイヤが引きずられたりしてしまい、安定して旋回ができなくなってしまいます。そこでディファレンシャルギアを組み込むことで、不安定さを解消することができ、なめらかな旋回が可能になるというわけです。ディファレンシャルギアには、いくつかの種類がありますが、現在、多くの自動車には、傘型の歯車を使用したベベルギア式が使われています。
ステアリング同様、ディファレンシャルギアも安全走行のために重要な部分なので、カーブ時に違和感を感じたり、スムーズに旋回しにくいときは、早めに修理工場やガソリンスタンドなどで見てもらうようにしてくださいね。